雨漏り診断士とは、NPO法人雨漏り診断士協会が認定する民間資格です。雨漏りの原因を特定し、適切な修繕方法を提案できる専門家のことを指します。雨漏り診断士の資格を保有していなくとも防水工事を行うことは可能ですが、原因究明や施工金額を抑えることに大いに役に立ちます。

なぜ雨漏り診断士の資格が必要なのか?

1. 雨漏り問題の複雑化

建物の構造や素材の多様化に伴い、雨漏りの原因も複雑化しています。かつては、瓦のズレやシーリングの劣化などが主な原因でしたが、現代の建物では、外壁のひび割れ、サッシの隙間、バルコニーの排水不良など、多岐にわたる要因が考えられます。

  • 構造の複雑化: 鉄筋コンクリート造、木造、軽量鉄骨造など、建物の構造は多様化しており、それぞれに特有の雨漏りリスクを抱えています。また、大規模なマンションや複合施設など、構造が複雑な建物も増えています。
  • 素材の多様化: 外壁材には、モルタル、サイディング、ALCパネルなど、様々な素材が使用されています。それぞれに異なる特性があり、雨水の浸透経路も異なります。
  • 気密・断熱性能の向上: 近年、建物の気密・断熱性能が向上していますが、その一方で、わずかな隙間から雨水が侵入しやすくなるという側面もあります。
  • 建物の老朽化: 建物の老朽化に伴い、建材の劣化や構造の変形が生じ、雨漏りのリスクが高まります。

2. 素人判断のリスク

素人判断で雨漏りを修理しようとすると、一時的な効果しかなく、かえって状況を悪化させる可能性が非常に高いです。

  • 原因の誤認: 雨漏りの原因を誤って特定し、適切な対策が取れないことがあります。例えば、屋根の漏水と断定して屋根の修理を行っても、実際には外壁からの雨水が原因だったというケースも考えられます。
  • 二次被害: 不適切な修理によって、建物の構造を損傷させたり、カビや腐朽を促進させたりする恐れがあります。
  • 費用対効果の悪化: 原因が特定できていない状態で修理を行うと、無駄な費用がかかってしまうことがあります。

建物規模が小さい物件であれば全体的に施工しても数百万で済みますが、100戸以上の大規模マンションなどの場合、全体的に施工すると億越えになるケースも多々。ですが雨漏り診断士などの有資格者による適切な診断、それに伴った施工を実施すれば10~100分の1まで施工金額を抑えることも可能です。

3. 悪質な業者への対策

雨漏り修理を装った悪質な業者の存在も少なくありません。

  • 過剰な修理: 雨漏りの原因が特定できていないにも関わらず、大規模な工事を提案されることがあります。
  • 高額な費用: 不当に高額な費用を請求されることがあります。
  • 手抜き工事: 必要な工事をせずに、表面的な修理で済ませられることがあります。

雨漏り診断士の有資格者が少ない理由

大規模修繕を行う際には特定建設業の許可が必要。
令和6年3月時点で特定建設業許可を持つ業者の数は49,029業者なのに対して、
雨漏り診断士の有資格者は全国でも1246名(2023年4月時点)と約2.5%しかいないことになります。2024年7月に実施された試験では受験者数は121名に対し、合格者数は70名。合格率は約58%となり、雨漏りに関する一定の知識や実務経験が無いと資格取得できないことが分かります。

まとめ

雨漏り診断士の資格は、単なる資格ではなく、お客様の安心と安全を守るための重要な担保と言えるでしょう。大切な建物を修繕される際は、信頼できる業者選びを心掛けると良いでしょう。

トゥインクルワールドでは部分修繕から大規模修繕まで幅広く対応。5,600件以上(2024年6月時点)の施工実績数もございます。今記事で紹介した雨漏り診断士だけでなく、外壁診断士などの有資格者も多数在籍しているため、安心して施工をお任せして頂けます。お住まい、管理されている建物でお悩み事ございましたら、是非一度気軽にお問い合わせください。