家を建てたりリフォームをする際に外壁材の種類によって可能な施工法や金額が変わりますが、それぞれのメリットデメリットをしっかり理解しているでしょうか?

  • 耐久性とデザイン性を重視するなら: タイルやモルタル
  • コストを抑えたいなら: サイディング
  • 断熱性や耐火性を重視するなら: ALC

どの外壁材を選ぶかは、建物の構造、予算、デザイン、地域の気候など、様々な要素を考慮して決定する必要があります。

今回の記事では各外壁材の特徴や耐候年数などを元に、その違いについて解説します。

人気の外壁材:サイディング

サイディングとは、建物の外壁に貼る板状の仕上げ材のことです。近年では新築住宅のほとんどで採用されている、非常にポピュラーな外壁材です。

サイディングの種類

サイディングには、大きく分けて以下の4種類があります。

  • 窯業系サイディング: セメントと繊維質を混ぜて作られたもので、最も一般的な種類です。
  • 樹脂系サイディング: プラスチックの一種である塩化ビニル樹脂で作られており、軽量で耐久性が高いのが特徴です。
  • 金属系サイディング: アルミやステンレスなどの金属で作られており、防火性や耐久性に優れています。
  • 木質系サイディング: 木材を加工して作られたもので、自然な風合いが魅力です。

メリット

  • 種類が豊富: 木目調、レンガ調など、様々なデザインがあり、自由な外観設計が可能。
  • 軽量: 建物の負担が少なく、施工が容易。
  • 価格が比較的安価: コストを抑えたい場合に適している。

デメリット

  • 耐久性: 比較的短く、定期的な塗装メンテナンスが必要。
  • 継ぎ目: パネルとパネルの継ぎ目から水が浸入しやすいため、シーリングの劣化に注意が必要。
  • 衝撃に弱い: 強い衝撃を受けると割れたり、ひびが入ったりする可能性がある。

圧倒的な耐久力:タイル

メリット

  • 耐久性: 非常に高く、長寿命。
  • 耐候性: 色あせしにくく、汚れもつきにくい。
  • 防火性: 火に強い。

デメリット

  • 価格: 高価。
  • 重量: 重いため、建物への負担が大きい。
  • 施工難易度: 技術力が必要なため、施工費用も高くなる傾向がある。

高いデザイン性:モルタル

モルタルとは、セメントと砂、水などを混ぜ合わせて作る建築材料です。

よく似たものにコンクリートがありますが、両者には以下のような違いがあります。

材料: モルタルはセメントと砂、水で作られますが、コンクリートには砂利も加えられます。

強度: コンクリートはモルタルよりも強度が高く、構造物を作るのに適しています。

用途: モルタルは主に仕上げ材として使用されるのに対し、コンクリートは構造物や基礎に使われます。

モルタルのメリット・デメリット

メリット

  • デザイン性: 職人の手によって、自由なデザインや模様を表現できる。
  • 耐久性: 高く、長寿命。

デメリット

  • ひび割れ: 乾燥収縮により、ひび割れが発生しやすい。
  • 重量: 重いため、建物への負担が大きい。
  • 施工時間: 手作業のため、施工期間が長くなる。

軽くて断熱性が高い:ALC

ALCとは、「Autoclaved Lightweight aerated Concrete」の略で、日本語では「軽量気泡コンクリート」と呼ばれる建材です。

ALCの特徴

  • 軽量: コンクリートの一種ですが、気泡がたくさん含まれているため非常に軽量です。
  • 断熱性: 気泡が断熱材の役割を果たし熱を伝えにくいため、断熱性に優れています。
  • 耐火性: 火に強く、燃えにくい素材です。
  • 加工性: 切断や穴あけなどの加工が容易に行えます。
  • 遮音性: 気泡が音を吸収するため、遮音性にも優れています。

ALCの用途

これらの特徴を活かして、様々な建築物に使用されています。

  • 外壁材: 軽量で断熱性・耐火性が高いため、住宅やマンションの外壁材として広く利用されています。
  • 内壁材: 断熱性や遮音性が高いため、室内壁としても使用されます。
  • 間仕切り壁: 軽量で加工しやすいことから、間仕切り壁としても利用されます。
  • 床スラブ: 軽量床として、マンションや戸建て住宅の床に使用されます。

メリット

  • 軽量: 建物の負担が少ない。
  • 断熱性: 断熱性が高く、省エネ効果が期待できる。
  • 耐火性: 火に強い。

デメリット

  • 衝撃に弱い: 強い衝撃を受けると割れたり、ひびが入ったりする可能性がある。
  • 吸水性: 水を吸いやすく、湿気による劣化が起こりやすい。

外壁材1平方メートルあたりの施工金額について

外壁材の1平方メートルあたりの施工金額は、使用する素材、施工方法、建物の構造、地域、業者など、様々な要素によって大きく変動します。そのため正確な金額をお伝えすることは難しいのですが、一般的な相場や金額に影響を与える要素についてご説明します。

素材耐候年数1㎡辺りの施工金額特徴
サイディング10~15年10,000円~12,000円種類豊富、軽量、価格が比較的安価
ALC20年以上12,000円~15,000円軽量、断熱性・耐火性に優れる
モルタル30年以上15,000円~20,000円デザイン性が高い、耐久性が高い
タイル50年以上 20,000円~30,000円耐久性・耐候性・防火性に優れる

上記はあくまで一般的な相場であり、高品質な素材や特殊な施工方法を選択した場合には、さらに費用が上昇する可能性があります。

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