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大規模修繕工事に着手する際、発注方式は、「設計監理方式」「責任施工方式」の2つがあります。

発注する際はそれぞれのメリット・デメリットを把握しておかなければなりません。

こちらの記事では、大規模修繕工事の発注方式について解説いたします。

マンションの大規模修繕を行うのは施工業者です。

施工業者に発注するとき、理解しておかなければいけないのが発注方式です。

発注方式は「設計監理方式」と「責任施工方式」の2つがあり、

どちらにするかで、もたらされるメリット・デメリットが異なります。

そこで今回は、設計監理方式と責任施工方式の違いについて詳しく解説いたします。

発注方式に悩んでいる方は、ぜひ参考になさってください。

大規模修繕の発注方式

業者

大規模修繕の発注方式は、主に設計監理方式と責任施工方式の2つに分かれています。

さっそくそれぞれの方式の違いを見ていきましょう。

設計監理方式

設計管理方式とは、設計をコンサルタント会社に、

施工を施工業者といったように作業を分離する方式のことです。

ここでいう設計とは、「企画調査」「仕様・工法の検討や提案」「工事にかかる費用の積算」

「業者選定」「見積もりチェック」のことを指し、

これらすべてを設計が得意なコンサルタント会社に委託します。

工事が始まったあとは、施工業者によって工事が適切に行われているかを監理してもらえます。

そんな設計監理方式がもたらすメリットは次のとおりです。

【設計監理方式のメリット】
● 設計と施工が分けられているため、工事施工会社選定に偏りがない
● 公平な価格競争で、コンサルタント費用以上の費用削減につながる
● コンサルタント会社が工事監理を行うため、質の高い修繕へとつながる
● 第三者(コンサルタント会社)が介入することで透明性が増す
● マンションの管理組合員の負担軽減が期待できる
● マンション理事会との情報共有が可能
● 設計段階で管理組合の意向を取り入れやすい
● 工事仕様書や見積書が共通するため見積書の金額比較がしやすい

こうしたメリットがある一方で、「コンサルタント費用の発生」というデメリットも挙げられます。

また監理費も発生するでしょう。

監理費とは「監理にかかる拘束時間」に「業務報酬基準(原価)」を掛け合わせたものです。

相場は業務報酬基準の約2倍と考えられています。

設計監理方式は、責任施工方式よりも費用がかさむため、

マンションの大きさによっては採算が取れない可能性があるのです。

設計監理方式を選ぶ際は、予算と支出を明確にして採算が取れるかどうかを見極めましょう。

サービスについて

責任施工方式

責任施工方式とは「マンション管理組合と工事施工会社が工事請負契約を結ぶ方式」のことです。

設計監理方式では、設計と工事を分離させますが、

責任施工方式では、調査から工事までのすべてを1つの業者に任せてしまいます。

そんな責任施工方式のメリットは次のとおりです。

【責任施工方式のメリット】
● 設計監理方式のようにコンサルタント費用が発生せず、費用が抑えられる
● 窓口が一本化するため、一連の運営の流れが簡素化できる
● 信頼できる業者に修繕工事を任せられる

一方、責任施工方式には次のデメリットもあると考えられています。

【責任施工方式のデメリット】
●信頼に足らない業者を選ぶと工事の品質低下、利害関係のトラブルなどが起きる
● 区分所有者との利害関係により、公平性維持が難しい
● 第三者介入という抑止力がなくなるため、手抜き工事のリスクが高まる
● 管理組合の負担が増える

設計監理方式とは異なり、コンサルタント会社が介入しない方式であるため、

工事を依頼する業者は信頼できるところかどうかを慎重に見なければいけません。

もともと依頼する予定の業者がいるなら話は別ですが、

初めて依頼する業者を選ぶ際は、慎重になりすぎるくらいがちょうどよいでしょう。

日本では「CM方式」は制度化されていない

CM方式とは「コンストラクション・マネジメント方式」の略称です。

方式の内容としては、CMR(コンストラクション・マネジメント・リーダー)と呼ばれる人が

「設計」「施工業者の選定」「監理」のすべてに関わるというものであり、

最大のメリットは「大幅なコストダウン」が挙げられます。

ただこの方式は「アメリカ方式」と呼ばれており、日本ではまだ制度化されていません。

選ぶポイントは「採算に合うかどうか」

データ

発注方式を選ぶ最大のポイントは、修繕方式が、マンションの修繕規模や予算の割に合うかです。

基本的にマンションの大きさは修繕費用に関与しません。

したがってマンションが小さいほど修繕にかかる費用の採算が合わない可能性があるのです。

発注方式を選ぶ際は、採算が合うかどうかをしっかり見極めましょう。

発注方式の違いを明確に理解し、採算に合う方法を選ぼう!

マンションの修繕工事は約10~15年に1度のペースで行われると考えられています。

頻繁に行われるものではないため、発注方式を詳しく知らない人は多いようです。

2つの方式のメリットやデメリットは大きく異なるため、

修繕工事に携わる場合はしっかり理解しておかなければなりません。


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